(仮訳)中国産のRamalina属2新種
Zhang, H-B. et al., 2021. Two new lichen species of the genus Ramalina (Ramalinaceae) from China. The Bryologist. Available at: https://bioone.org/journals/the-bryologist/volume-124/issue-2/0007-2745-124.1.162/Two-new-lichen-species-of-the-genus-Ramalina-Ramalinaceae-from/10.1639/0007-2745-124.1.162.short [Accessed April 11, 2021] 【R3-08313】2021/4/11投稿

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3行まとめ

中国の陝西省と雲南省で採集された樹皮生地衣2種を検討し、Ramalina ailaoshanensisおよびR. qinlingensisとしてそれぞれ新種記載した。
前者は地衣体の枝が幅狭く、二叉分岐し、偽盃点を生じ、粉芽および裂芽を欠くことなどで特徴づけられた。
後者は地衣体の枝が幅広く、偽盃点が顕著で、粉芽および裂芽を欠くことなどで特徴づけられた。
中国雲南省普洱市景東イ族自治県哀牢山

(新種)

Ramalina ailaoshanensis S.Y.Guo & L.F.Han
語源…哀牢山産の
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【よく似た種との区別】
Ramalina calicaris
中国に分布する
形態的に類似している(混同のおそれがある)
地衣成分としてウスニン酸を含む
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりヨーロッパにおける分布が知られている
本種より地衣体の丈が低い
本種より地衣体の枝の幅が広い
本種と異なり地衣体が密に分枝するのではなく中程度に分枝する
本種と異なり地衣体に僅かに溝を有するのではなく顕著な溝を有する
本種と異なり地衣体表面が隆起するのではなく光沢を有する
本種と異なり偽盃点が不明瞭
本種より子嚢胞子が短い
本種より子嚢胞子の幅が広い
本種と異なり子嚢胞子が直線状または屈曲状ではなく直線状
本種と異なり地衣成分としてホモセキカ酸、セキカ酸を含む
本種と異なり地衣成分としてジバリカト酸を含まない
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Ramalina conduplicans(カラタチゴケ)
地衣体が密に分枝する
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種より地衣体の丈が低い
本種より地衣体の枝の幅が広い
本種と異なり地衣体に僅かに溝を有するのではなく扁平~溝を有する
本種と異なり地衣体表面に亀裂を生じないのではなく生じる
本種と異なり偽盃点が疎らではなく豊富
本種と異なり偽盃点を地衣体の枝の葉央および縁部ではなく縁部、下面に生じる
本種と異なり地衣体の組織が顕著な軟骨質である
本種より子嚢胞子のサイズが小さい
本種と異なり子嚢胞子が直線状または屈曲状ではなく直線状
本種と異なり地衣成分としてホモセキカ酸、サラジン酸、セキカ酸を含む
本種と異なり地衣成分としてジバリカト酸を含まない
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Ramalina confirmata
中国に分布する
偽盃点を葉央および葉縁に生じる
地衣成分としてウスニン酸を有する
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりオーストラリア、北米における分布が知られている
本種と異なり地衣体が密ではなく疎ら~中程度に分枝する
本種より地衣体の枝の幅が広い
本種と異なり地衣体に僅かに溝を有するのではなく扁平~溝を有する
穂tな根と異なり地衣体表面に隆起を有するのではなく平滑~皺状で亀裂を生じる
本種と異なり偽盃点を疎らではなく豊富に生じる
本種と異なり地衣体の組織が顕著な軟骨質である
本種より子嚢胞子が短い
本種と異なり地衣成分としてジバリカト酸を欠く
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Ramalina farinacea
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり粉芽塊を有する
本種と異なり地衣体の組織が軟骨質である
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
中国陝西省商洛市柞水県秦嶺山脈牛背梁

(新種)

Ramalina qinlingensis S.Y.Guo & L.F.Han
語源…秦嶺(山脈)産の
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【よく似た種との区別】
Ramalina aspera
中国に分布する
地衣体の最大の丈が類似している
地衣体の枝表面に溝を有さず隆起を有する
偽盃点を葉央および葉縁に生じる
偽盃点が瘤状
地衣成分としてウスニン酸およびジバリカト酸を含む
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり北米における分布が知られている
本種と異なり地衣体の枝が中程度ではなく疎らに分枝する
本種と異なり地衣体全体の表面が皺状
本種と異なり地衣体の枝に顕著な疣および小枝を伴うのではなく隆起する皺状で弱く亀裂を生じる
本種と異なり裂片が膨大する
本種と異なり裂片がいくぶん中空
本種と異なり偽盃点が豊富ではなく普通に生じる
本種と異なり地衣体の組織が時に弱く亀裂を生じる軟骨質
本種より子嚢胞子の幅が狭い
本種と異なり地衣成分として”crytochlorophaeic acid”を含む
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Ramalina americana
中国に分布する
形態的に類似している(混同のおそれがある)
本種より地衣体の枝の幅が狭いことがある
本種と異なり地衣体表面に顕著な溝を有する
本種と異なり偽盃点が稀
Ramalina complanata
中国に分布する
偽盃点が豊富
子嚢胞子のサイズの範囲が重なる
地衣成分としてウスニン酸、ジバリカト酸を含む
本種と異なり北米における分布が知られている
本種より地衣体の最大の丈が高い
本種と異なり地衣体の枝が中程度ではなく中程度~密に分枝する
本種と異なり地衣体の枝の幅が狭い
本種と異なり地衣体に溝を生じないのではなく扁平~溝を生じる
本種と異なり地衣体表面が疣状および隆起状ではなく不規則な縞状でいくぶん皺状、亀裂を生じる
本種と異なり子器が小型
本種と異なり偽盃点が葉央および葉縁ではなく上側面および葉縁に生じる
本種と異なり地衣体の組織が亀裂を有する軟骨質
本種と異なり地衣成分としてサラジン酸を含む